ドギーズショップ・チームラフィアン

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逃げた飼い犬女性2人かむ(信毎

ここをクリックすると当時の信濃毎日新聞が見られます

「可愛い犬だね。」と、通りすがりの子供や大人が撫でても優しい眼差しでそれに従い、決して唸ることもかむこともしない。十分すぎるほどの家庭犬である。
  この犬が「長野市篠ノ井布施五明の私道で、近くの男性(57)宅から逃げだした犬が、保育園の送迎バスを待っていた31歳と34歳の女性二人にかみついてけがをさせた。・・・約一週間のけが・・飼い主は再び事故が起きる可能性があるとして長野市保健所に引き渡した。市保健所が近く処分する。」
(2004年信毎記事抜粋)の当事者(犬)だと、誰が思うだろうか。

   紀州犬の雑種の訓練 

 3年前、動物愛護を進める婦人が、長野市内の訓練を受け入れるところを回り“ジョン”の訓練を申しでたが断られ、わらをもつかむ気持ちでラフィアンを訪ねてきたとのことであった。
ちょうど栃木県の警察犬訓練所の修行を終えた私の息子である訓練士が、店の手伝いをしているところに婦人がきた。訓練士との話し合いの末、快く訓練をお受けした。最低6ヶ月の契約である。
 訓練士は、人や犬に慣らせようと店の犬舎に入れ、その日は自宅に帰った。翌日、私は、いつものように店内にいる犬を店の外のサークルや散歩に出す作業を行い、ジョンも同じくだした。リードに繋がれたままのジョンを、そのまま外に出し排便をさせ、店内の犬舎に戻そうとしたが、急に唸り声をあげ私に襲いかかろうとした。私はジョンとのトラブルをさけ、2本のリードを持ったまま訓練士を待った。2本のリードとは、襲い掛かりそうな犬や、首輪が抜けそうな犬には1本では危険なので、2本をつけるのが訓練士の慎重なやり方である。そうこうしているうちに訓練士が来て、いとも簡単に首輪近くを持ち犬舎に入れてしまった。
 このようなことが3日ほど続いてから、私でも犬舎に入れることができるようになった。
 月日がたち、飼い主とジョンとの面会の日、婦人が、団体の出している機関紙を持ってきてくれた。そこで
ジョンのしたことが分かった。
ジョンの訓練は、店に置きながら人や犬に慣らさせるために、常時店にいる私が、訓練士から指導を受けながら観察と慣らすことになった。

愛情とは 撫でること

          疑問に思う


 一ヶ月に一度の面会を行える飼い主(愛護の婦人)が来た時には、私への態度とは違い本当に嬉しそうであり、私は悔しい気持ちになった。というのは、愛護の婦人は、ジョンとの生活はごく少ないことを聞いていたからである。それにしても、婦人は、愛情、愛情を持てば大丈夫としきりに言いながらも、よしよしと撫でる姿は不思議でならなかった。それならば自分で飼えるであろうと思ったからである。
 そうこうしながら3ヶ月を過ぎた。この頃から私に気を許し始めてきたことが分かるようになった。そのため一本のリードを外した。ある日、店の者にシャンプーをしてもらおうとトリミング室に連れていった。その時、まさかの想定外のことが起きた。折り悪く窓が開いていたのだ。ジョンは、ヒョイとその窓から跳び出てしまったのである。
私が慌てているにも関わらず、ジョンはわき目を振らずあちこちに行くではないか。もし、このまま捕まらなかったらと思うと気が気ではなかった。裏から表にまわり道路をすいすいと渡る姿を、心臓の鼓動を聞きながら追いかけた。そのうちに畑のごみ置き場に入り匂いを嗅ぎながら排尿した。そして私をよそ目に歩き始めた。おい、そのまま動かんでくれ、と心で叫んだ。通じはしまいがそのまま動かなくなったところを、まさに「捕獲」したのである。
なんだか申し訳なさそう、いや、何食わぬ顔しての方が適切な表現かもしれないが、後についてくるジョンが可愛くもなった。


     ジョンは我が家の一員

 ジョンが私に慣れてきた頃、フィラリアの薬を投与するために掛かりつけの動物病院に連れていった。獣医は、駆虫薬を投与するために血液検査をした。ジョンがフィラリア症に罹っていることが分かり、注射後翌月から毎月薬を飲ませなければならなくなった。このまま死んでしまうかも知れないと思うと、なんだか凄くいとおしくかわいそうになった。

 そして6ヶ月の訓練期間が終わった。新しい飼い主の元に帰るかと思うと寂しさが込み上げてきた。愛護の婦人と訓練士が神妙な面持ちで長い話が続いたあと、店が引き取ることになった。吠えて要求するジョンとまた生活が続くのかよー。と思いつつも、ほっとした。このころのジョンは、店の者がシャンプーをすることことが出来ても、爪を切ろうとすると歯をむき出しして襲いかかろうとする。でも私にはそれをしない。そう、ジョンは人間と共存できる犬になっていたのである。


ジョンは人を噛まない犬であった

 報道では「飼い主は再び事故が起きる可能性があるとして長野市保健所に引き渡した」と。でも、再び事故を起こす可能性があったのだろうか。今のジョンには再び事故が起こす可能性は全くない、と私は確信をもって言える。
ある犬の行動学者は「犬は飼い主の鏡」であると。
 私は、全くそのとおりであると思う。ジョンが店に来た時のことを知っているお客さんは、ジョンが店に来てからの変化に、誰もが、それが真実であるということを知っている。
先ごろ、動物愛護団体の機関誌しか見ていないわたしは、新聞に報道されているジョンの姿を知りたくて3年経たこんにち、新聞の記事を見たくなりコピーを入手した。

終わりに
 
 この記録を公表する目的は、飼い主への批判ではなく、日々、飼い犬の問題行動で悩んでいる方に、飼い主は自分の犬を知り、時間をかけて共同生活を営む努力をしていけば「変わらない犬はいない」ということを理解していただければ、と思うようになったからである。
 しかし、犬の行動学の上では、訓練不能な状態にある犬がいるということも知っておきながら、それらの犬との共生を探ることも必要なことです。また、行動学上明らかにされていない部分もあり、それは、飼い主と専門家との間での念入りな研究が必要です。大事なことは諦めないことです。

しつけ方教室で教えている方へ

 訓練やしつけ方教室を開いている方にお願いをしたい。問題行動で悩み、それらの教室にかけ込む方が少なくない中で、教室の範囲を越えている犬を見分けて、早期に適切な処置を施してほしいと思うのです。飼い主に幻想を抱かせないためにも。


最後になりましたが、動物愛護の運動をされている方に感謝申し上げたい。特に、明日までの命となっていたジョンを救い、自分の犬ではないのに高額な訓練費用をかけ、私どもに貴重な体験をさせて下さったことに深い感謝の気持ちを表明いたします。


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